
島で生まれた風土の織物
たらま紅紬
多良間村の村花でもある紅花は「タラマバナ」と呼ばれ、首里王府に上納されてきました。しかし、近頃では栽培は途絶えていました。
その紅花を種から栽培し、多良間の新しい織物を生み出そうと「たらま花保存会」が発足しました。
たらま花を染料とした新しい織物を開発するため、紅花の本場山形県から伝統工芸士の小松紀夫さんを招き、紅花を使った染色技術の研修会を行い、新しい多良間島の織物が出来上りました。
多良間島特産の紅花、ふくぎ、ユウナなど南の島特有の植物を染料として用いて「たらま紅紬」という独自の織物を誕生させました。
素材は、絹糸と手摘みの苧麻を使用し、すべてが手織りです。
染料:たらま紅、八重山藍、くるみ、車輪梅 他
素材:絹、手摘み苧麻
染料:たらま紅、八重山藍、くるみ 他
素材:絹、手摘み苧麻
多良間島では三月~四月頃に花が満開を迎えます。咲いた花の花弁を摘み取り、「紅餅」に加工してから染めの支度に入ります。
摘み取った花弁を水洗いし、揉んで黄色い色素を流し日陰で発酵させます。発酵が進み、赤みが強くなったものを木の棒で突き、丸めて煎餅状にし天日で乾かします。こうしてできたものを「紅餅」と呼びます。
琉球王国時代には、中継貿易で栄え、沖縄本島と宮古、八重山を結ぶ公海上の要所でした。
村の産業は農業が中心で、特にさとうきびの栽培が盛んです。
土地が平らで放牧に適しているので、近年は肉用牛の飼育が盛んで、牛やヤギが、群れをなして移動するのどかな姿も見られます。
放牧
育成されている黒毛和牛は、県内でも有数の肉用牛生産地域で、ブランド「宮古牛」として流通しています。
夢パティオのふくぎ並木
屋根の赤瓦とまわりの緑の色合いが、訪れる人の心を癒し、時の流れを忘れさせてくれます。
豊年祭の八月踊りの厄払い獅子(スース)
八月踊りの御願所(舞台)の厄除けに用いる獅子。
多良間でスースといいます。
たらま紅紬は、宇治紬物語館ギャラリーで常設展示しております。